2019-07

花束 (7/24)

暑い季節に日持ちする花材でお作りした花束です。ガラス容器と一緒にプレゼントです。
暑い季節好きな方、花束好きな方に是非。

 
「今出発したところだから、15分待って下さい」

僕はロープウェイ乗り場でそう言われ、目の前にそびえる金華山を見上げた。小雨が降ってる。

その日の夕方、ある定例の食事会に参加する為、岐阜の観光地「金華山ロープウェイ」の
のりばに居た。今日の会場が金華山山頂にある展望レストランとなっていたからだ。
金華山の頂上には岐阜城があり、その少し下に展望レストランがある。

山頂に行くには徒歩(登山)も可能だが登るのはキツイ。んでロープウェイ。
この季節ロープウェイは午後10時半まで動いており、その夜景スポットはカップル達に人気みたいだ。
タイミングが悪く15分の待ち時間ができ僕は待合所のベンチのひとつに座り待つことにした。

広い待合所内の売店は既に閉まり、ひっそりとしている。僕以外に人はいない。
スマホを出してみるも特にすることもなく外を眺める。小雨がまだ降ってる。

待合所の自動ドアが開き、若いカップルが入ってきた。のりばへ向かいすぐに戻ってきた。
そうだろう、まだ次の出発まで10分以上ある。
ウロウロするカップルのイチャコラした会話が耳に入ってくるが特に関心もなく外を眺める。
小雨がやまない。

するとカップルの女の子が「座ろ」つって、カップルでベンチに座った。
僕の隣に。

え・・と思った。ベンチは5~6人がけで、ほぼ中央に座ってた僕の右手にカップルが並んで座る。
ベンチは同サイズのものが待合所にはたくさんある。しかも他に誰もいない。
なぜ隣に座る?僕のパーソナルスペースはそんなに広くないぞ。と思って席を変わろうとも思ったけど
なんだか負けたみたいなのでそのままでいることにした。

1人で来てる僕へのあてつけか?それともこの場所がロープウェイのりばへの順番待ち列最後尾と
思われたか?いや場所的にそんなこともない。とライトアップされた岐阜城を見ながら思った。
隣で交わされるカップルの今まで乗った事のあるロープウェイについての感想と考察を聞きながら
心底どうでもいいと思ったとき、ロープウェイのりばから搭乗の案内が聞こえた。

僕は素早くロープウェイに乗り込んで一番隅っこに立った。外側を眺め発車までじっと待つ。
小雨はまだ降ってる。
発車間際になりドヤドヤとたくさん人が乗ってきた。チラっと見ると僕以外は先ほどのカップルを
含めみんなカップルだった。
何ともいえない気持ちなりうつむいた。すると僕の足元にでっかいステッカーが貼ってあった。

「For KIDS  THANKS YOU 」

おっさんが1人でカップル満載のロープウェイの隅にある子ども優先の場所でじっとして外を眺めている。
それが今の僕だ。また何ともいえない気持ちになった。小雨はやまなかった。