2017-10

リトープス (10/28)

石に擬態してるとも言われる多肉植物「リトープス」です。
不思議な形ですがとても可愛らしくも見えます。花も咲きます。
多肉好きな方、リトープス可愛いよな方に是非。

朝早くのコンビニは賑わっていた。
これから仕事の人々が朝ごはんやらコーヒーを求めレジに列を作っている。

僕も早朝の配達を済ませ、パンとコーヒーを買い求めた。
コンビニ駐車場の車に戻り、ラジオを聞きながらパンを齧る。
のんびりとはできないが、今日一日の鋭気を養う大切な時間、そしてこのパンうめぇと思ってた。

ふと外に目をやるとコンビニから出てきたおじさんが気難しい顔をしてこちらに向かってくる。
手にはビニール袋を下げ、ややうつむきがちな作業着のおじさん。顔は暗い。

そのまま目の前まで来るとおじさんは何のためらいもなく僕の車のドアを勢い良く開けた。
運転席のドアだ。

「!!!!!!ッ」

不用意に車のドアを突然開けられるとこんなにびっくりするのか。声にならない声が出た。
僕は右手にコーヒー、左手にパンを持ち口にはパンを頬張ったまま固まりおじさんの顔を凝視した。

時間にして2秒ほどだったと思う。僕はおじさんと見つめ合い、同じく固まってたおじさんは言った。

「ごめん、間違えた」

開けた時とは違う優しい動作でドアを締め、おじさんは僕の隣に停めてある軽バンに乗り込んでいった。
疲れてるんだなおじさん。がんばれおじさん。僕もおじさんだけど。
それからは駐車場で車の中にいる時もカギをかけるようになった。

 

ディッキア (10/1)

ディッキアです。なかなか素敵なブラウンが良い感じです。触ると結構チクチクします。
ディッキア好きな方、素敵なブラウンが好きな方に是非。

夕暮れ時の街。僕は軽バンのハンドルを握り、信号待ちをしていた。
最近いろんなことがあって疲れてた。
何気なく道路の向こうを渡る中学生男子を見る。小走りの中学生。とても元気だ。
元気だけど別に「あの頃に戻りたい」とは思わない。
いまどきの中学生って大変そうだからなぁって思ってたら、
その中学生がポロッとなんか落とした。

よく見えないけど財布か手帳みたいなものだ。人通りはまばらで誰も気づいていない。
中学生も気づかずどんどん先に行ってしまった。
残された交差点の向こうに佇む落し物。そして見てしまった僕。

面倒だと思う心の僕が言う。
「形あるものはいつか壊れたり、失くしたり、売ったりするものだ」と。
偽善者を装う心の僕が言う。
「彼困るよ、何か落として。何かはわからぬがかわいそうだ」と。

少し考えて今回は後者が勝った。

信号が変わったので僕は車を動かし落し物を拾った。生徒手帳だった。懐かしい。
急いで中学生の後を車で追いかけた。だがいない。中学生の足は早いんだ。
少し戻り途中の路地に入る。すると前方にスキップをしながら歩く中学生を発見した。
スキップとかしてるから落とすんじゃねえのか?とも思った。

車を彼の横につけ窓を開けて叫んだ。
「ちょっちょちょ!落としたやろ!?」
差し出された自分の生徒手帳を見て驚いた中学生、受け取りながら
「ァザースッ!」って言ったので、

僕は「ウィースッ!」と返事をしながら華麗にUターンを決めて夕日の中を走り去った。

ご褒美に良いことありますように。
ご褒美に良いことありますように。